
近年、資産形成においてのパートナー、「ファイナンシャルプランナー(FP)」が注目されています。
個人だけでなく法人向けにも幅広くサポートを行い、メディア出演やセミナー講師として活躍されている、FPサテライト株式会社代表取締役の町田萌さんにお話を伺いました。
FPサテライト株式会社は、保険や金融商品の販売は一切行わないというスタンスで事業を運営している非常に珍しい会社です。
前編:【資産形成のパートナー】商品販売を一切行わない理由とは!?
Q.前回はサービス内容やあえて販売をしない理由などをお伺いしましたが、商品についてお聞きします。まず、保険について、多数の人が入っていると思いますがどのような方が多い印象ですか?
なんとなくよくわからないまま入ったんだけど、やっぱり緊急性が低いのでまあいいやでそのままになってしまってるみたいな方がやはり多いなあという感じですね。
それで何かきっかけがあったりとかで、ちょっと一回ちゃんと見直そうってことで相談に来られるというケースが多いです。
やっぱり何年もそのままにしてしまってるっていう方は多いですね。
Q.長く入っていても良いとは限らないのですね、どのあたりを見直せば良いのでしょうか?
例えば医療保険は医療技術の進歩に伴って変化しますので、ずっと入ってると、それよりいい新商品が出てるかもしれないっていう意味での切り替えた方が良い場合がありますし、生命保険の保険金額が適正になってるかどうかというところは見た方がいいですね。
必要な保障金額って一定ではないので、その時々に合った保険金額に適正化していくっていうことはしなきゃいけないですし、後は医療保険なんかは保険の中でもかなりトレンド性が強いので、そこは定期的に見直した方がいいですね。
それと貯蓄性の保険とかも、貯蓄目的で入られる方が多いんですけど、貯蓄か運用かみたいな時に、その保険が貯蓄として果たしていいのかどうかも考慮した方が良いかもしれません。
そもそもその他に経済的損失を補てんできる手段がないかみたいなところも含めて、うちでは見直すことが多いですね。
Q.見直しについてアドバイスするとき、販売しないってことはどの程度まで相談に乗れますか?
特定の商品でこれがいいですよとかこんなのありますよとかっていう具体的な商品までは話しません。
「このくらいの保険金額がいいですよ。」とか医療保険にもし入るんだったら、「こういった保障のものがいいですよ。」みたいに広く保険全般のアドバイスみたいな感じになりますね。
Q.それは安心感ありますね。
はい、そうですね。リテラシーの高い方は、「わかりました。じゃあネット保険とかで入ってみます。」みたいな感じになります。
一応は提携してる保険代理店さんもあるにもあるんですけど、実際にご紹介したことはないです。
自分で探すのは面倒くさいから、なんか見つけてきてって言われたら一応信頼できる紹介先はあるみたいな感じですね。
Q.保険についてもいろんな保険商品がありますが、こういう保険っていうのは基本的にはやめた方がいいよとかありますか?
いろんな人に向き不向きな商品があるので、一概には言えないですけど、これが合うっていう人はちょっと正直ほとんどいないだろうなというものはあります。
「アカウント型保険」っていう保険がありまして、全て特約で保険商品を設計するという、かなり特殊な保険です。
それに入って幸せになった人を見たことがないです。最近相談はあまり聞かないですけど、たまにその商品の話を聞いたっていう相談とかありますね。
Q.保険の選び方のコツとかポイントとかってありますか?
そうですね。実際にどれくらい必要なのかっていう判定の詳しいやり方はあるんですけど、いきなり初心者の方がやるにはハードルが高いと感じられそうなので、それはちょっとここでは控えます。
保険の選び方で一番重要なのは、やはり自分がちゃんと理解できる保険にすることです。となると、必然的にシンプルな保険になってくるのかなというところですね。
シンプルな方が見直しも後で簡単にできますので、あまりいろんな特約があったりとか、外交員に説明されたけどよく分からないみたいなものは、控えた方がいいかなと思います。
ちゃんと自分で理解した上で入るっていうところが大事かなと思いますね。
Q.次に資産形成、資産運用についてお聞きします。最近若い人にも資産運用は大事っていう認識はある程度日本人にも根づいてきてる印象がありますが、そこもどうしようかわかんないっていう人が大多数だと思うんですけど、その資産形成についてのコツとかポイントはありますか?
そうですね。初心者の方向けという観点から言うと、大体NISAなどのお話をすることが多いなという感じです。
現行の制度で言えば、つみたてNISAだと銘柄が絞られているので始めやすいですよ、という話をすることが多いです。
あとは、確定拠出年金に入ってる会社にお勤めだったらその確定拠出年金を利用すると有利になる可能性が高い、そうじゃなければiDeCoだったりとか、せっかくそういう国が用意してくれてる非課税制度があるので、十分に活用したらどうですか?みたいなお話をしています。
そのあたりはおそらく証券会社とかだと少額だから相手にされないみたいなことがあると聞いていますので、国がやってる制度とか優先にしてお話することが多いですね。
Q.それも保険と同じように販売まではしないので具体的な提案まではしないのですか?
今この商品がいいですよ、とかこの商品で積立しましょう、というところまでは話さないです。
シュミレーションをすることが多いですね。もし今から運用をしてて、利回りも便宜上、3%程度にして10年間やると貯蓄に比べてこれぐらい増える可能性がありますよみたいな話で留めます。
私たちは具体的な提案をしないので、気持ちを後押しするようなお話の仕方をすることが多いです。やはりそのグラフで見ると、もちろん確実ではないにしても貯蓄に比べてこれだけ増える可能性があるんだって気づいてもらいます。
資産運用もやってみようかなといった気持ちを後押しできたらいいなと思ってお話してますね。
Q.最後に何かお伝えしたいことはありますか?
「よくばりに気分よく生きたい私たちに都合のいい お金の教科書」という本を執筆しました。
好きなときに好きな場所で好きなことして生きていく。労働に縛られず、お金に困らない。女子が自由に生きるための84ステップをわかりやすく解説しています。

町田 萌
FPサテライト株式会社 代表取締役
日本大学商学部在学中よりファイナンシャルプランナー(FP)として独立を志し、外資系損害保険会社、資格試験対策等のeラーニング講座を手掛けるIT企業に勤務。卒業後、税理士法人勤務を経て、24歳で保険などの金融商品を取り扱わない中立中正なFP事務所を開業する。26歳で法人化し、FPサテライト株式会社を設立、代表取締役に就任。30名以上の所属FPを束ねている。20代〜30代前半の婚約中・新婚世帯を中心とした相談実績多数。家計・生活設計、保険、資産運用から、起業や経理支援まで、個人法人問わず広い視野からの問題解決を得意とする。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。日本FP協会認定CFP®。宅地建物取引士。
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