
最近エンジェル投資をしたいという方が増えています。
「エンジェル投資は儲かると聞いた」、「上場株で損ばかりだから未上場株に手を出したい」という理由も多いです。
しかし、エンジェル投資は通常の金融商品とは大きく異なる特徴があるため、向いている人とそうでない人がいます。
エンジェル投資に向く人とは?
未上場株の特徴を考えると、エンジェル投資は短期的な値上がり益の追求というよりは、イグジットに向けた長期的な視野で臨むものだとわかります。
ホームランバッターではありませんが、「当たれば大きいが外すことも少なくない」という側面があることは事実です。
よって、投資で継続的に利益を狙いたいという人にとって、エンジェル投資一本という投資スタンスは現実的ではありません。
通常の個別株や投資信託、債券など、ほかの金融商品と組み合わせて使うことをおすすめします。
人生を豊かにしたい人
また、必ずしもIPOやM&Aが約束されているわけでもなく、投資する会社や事業に対する共感・支援の意味合いも濃くなるでしょう。
未上場スタートアップが対象とはいえ株式投資なので、株主になると継続的にIR情報を受け取ることができます。
そこで、企業を応援しながら企業の成長を一緒に楽しむ気持ちのある方に向いています。
投資の醍醐味がリターンであることは否定しませんが、投資の面白さは経済や企業分析を通じた学びでもあります。
一般的にエンジェル投資は、自身が詳しい業界などの銘柄に資金を投じるのがセオリーです。業界全体の景気動向や各社の特徴を理解していると、ミスを抑えやすくなるというわけです。
業界研究にもつながるので、普段の仕事にも役立ちます。こうして投資に慣れてくるとカバー範囲を徐々に広げ、リサーチ銘柄を増やしていきますが、それにつれてさらに知識は深くなり、気づけば投資によるリターンだけではなく、知的好奇心を満たしたり企業の理念に共感したりするなど、投資以外の楽しさも見出すようになります。
人生を豊かにするという手段にもなりえるわけです。
それがあれば、これから世の中を変えるようなビジネスや、経営者を知ることにつながり、それ自体が学びになり、未来への投資を味わうことができます。資金も投じるので真剣度も高まるに違いありません。
長期投資に本当に耐えられるか
スタートアップがIPOやM&Aを果たすには3〜5年、長いと10年はかかりますから、それに耐えられる人しかできません。
しかも、通常の金融商品と違いその間は基本的に売却できません。いってみれば資金を数年間寝かすこととなり、途中での評価額なども公開されていません。
しかし、成功した場合、特にIPOした時点で株価が10倍、20倍になってもおかしくはありません。注目度の高い人気銘柄はIPO直後の初値からも数倍になる場合もあり、一連の値動きを捕まえることができたら、投資としても大成功でしょう。
逆に数年間寝かせたうえでゼロになることもあります。そのような「売却できない長期投資」、「ハイリスクハイリターン」であることに耐えなければなりません。
エンジェル投資に向いている人とは、スタートアップを応援することに意義を見出せる人であり、その結果として経済的リターンがついてくることを理解した上で投資できる人です。
かつ、ほかの投資商品とも組み合わせて運用ポートフォリオを構築することが重要です。