
融資型クラウドファンディングは、「お金を借りたい個人や企業に対して自分のお金を貸し出すサービス」です。
近年日本でも融資型クラウドファンディングを取り扱う業者も増えており、注目されています。
今回はその融資型クラウドファンディングのメリットとデメリットをお伝えします。
融資型クラウドファンディングの5つのメリット
融資型クラウドファンディングを「投資」と捉えた場合、株式やFX、不動産など他の投資と比較して5つのメリットがあります。
①少額からでも始められる
融資型クラウドファンディングによる投資は少額から始めることができます。株式や投資信託を始めようとすれば少なくとも数十万円の資金は必要ですが、融資型クラウドファンディングなら1万円から始めることができます。
金額から言えば子どものお小遣いでも始められます。1件あたりの貸倒れの影響を抑えるには、1件の貸出先に資金を集中させるのではなく、多くの貸出先に分散させた方が有利です。
そのためにも1件あたりの最低投資額が少額であるということは重要です。
②利回りが高い
融資型クラウドファンディング投資の最大のメリットは高金利です。例えば、募集されている案件の利回りは5〜7%が中心で、中には10%のものもあります。
この低金利時代に、少額から投資できる商品のなかでこれだけの利回りが得られる投資は他にはありません。
③経済動向の影響を受けづらい
融資型クラウドファンディングでは、基本的に利回りが事前に決まっています。一度貸出を実行した後は、貸倒れやサービス事業者の破綻などが発生しない限り、決まった利回りを受け取ることができます。
また、株式や債券、不動産などのように投資商品自体の価格変動がありません。
そのため、物価・金利・為替・景気などの経済動向の影響を直接は受けません。
他の投資のように日々株価や経済ニュースをチェックして売り時や買い時を悩む必要がないというのは、精神的にも楽です。
ただし、リーマンショックのような大規模な経済危機が起こり、企業倒産が多発するといった事態に至った場合は、融資型クラウドファンディングと言えども影響が避けられない可能性はあります。
④毎月金利収入が得られる
融資型クラウドファンディングのほとんどのサービスでは金利収入が毎月得られます。
日本人は特に定期的に収入が得られる投資商品が好きなようです。
融資型クラウドファンディングはまさにそうした投資をしたいという人に合った商品です。
⑤時間がかからず、特別な知識も不要
融資型クラウドファンディングでは、一度投資を行えば投資期間中はやることはありません。返済されるまでの間待つだけです。
忙しい人やあまり投資に時間をかけたくない人に向いています。
また、株式やFX・不動産投資などで継続して利益をあげようとすれば非常に時間をかけ情報収集や研究を重ねる必要がありますが、融資型CFではそうした特別な知識は不要です。
融資型クラウドファンディングの3つのリスク
融資型クラウドファンディングのメリットについて述べましたが、当然投資である以上リスクも伴います。融資型クラウドファンディング投資の主なリスクとして次の3つが挙げられます。
①デフォルト(貸倒れ)リスク
こちらは最大のリスクと言えます。デフォルト(貸倒れ)とは、貸したお金が返ってこないリスクです。
お金の貸し借りをする上で最大の借り手が期日になってもお金を返さない場合、サービス会 社は当然督促を行います。それでも返済されない場合、担保や保証があればその権利を行使して回収を行います。それでも足りない場合は、債権を回収業者に売却して返済資金に充てます。
サービス会社自身が返済を肩代わりすることはありません。貸倒れのリスクは全面的に貸し手である投資家が負うことになります。
もし貸倒れが発生すると、貸したお金の一部あるいは全部を失うことになります。
②サービス会社破綻のリスク(事業者リスク)
現状では、サービス会社は上場企業は少なく、規模も決して大きいとは言えません。あまり考えたくはないことですが、サービス会社自体が破綻する可能性もあります。
万一サービス会社が破綻した場合、投資した資金が返ってこないリスクがあります。サービス各社も、万一の事態に備えて投資家の資金と会社の運営資金を明確に分ける分別管理の仕組みをそれぞれ持っています。
そのため、サービス会社破綻の際にも投資家の資金が極力守られるようにはなっていますが、実際にそうした仕組みがどこまで役に立つか確かなところは誰にもわからないと言えます。
③途中売却・解約できないリスク(流動性リスク)
銀行の定期預金であればいつでも解約できますし、株式も売却することができます。
しかし、融資型クラウドファンディングで一度お金を貸してしまえば、急にお金が必要になったからといって貸出期間中に解約することは決してできません。返ってくるのはあくまで決められた月々の返済額だけです。
また、この3つのリスクの他にも、投資対象によっては為替リスク・担保価格下落のリスクなどがある場合もあります。投資前には各投資対象のリスク説明をよく確認しましょう。
融資型クラウドファンディングにかかる税金
融資型クラウドファンディングで分配金が得られても、すべて収益になるわけではありません。分配金に対して当然税金(所得税)がかかります。
融資型クラウドファンディングの分配金は雑所得に該当し、20万円を超えた場合は確定申告を行う必要があります。副業などで他の雑所得がある場合は、それらの総額が20万円以上となれば対象となります。
そのあたりも十分考慮に入れて投資を判断しましょう。