
最近、私の周りにもおいしい投資案件がたくさん入ってきます。
しかし、そのほとんどはポンジスキーム系の投資詐欺です。月利10%~20%のものもあり、年利かと思いきや月利だということで、その時点でだいぶ怪しいです。
TwitterやInstagramなどのSNSでもそれらしき投稿が多く見られます。特に投資リテラシーが低い若い方が手を出していることが多く、私も相談されることも増えているため、今回はポンジスキームかどうか判断する方法をお伝えします。
2021年の被害は1,110億円・13万人
警察庁生活安全局発表によると、直近2021年の投資詐欺被害額はなんと1,110億円、被害人数13万人となっています。この13万人という被害人数と検挙事件数は過去最高とのことです。
しかも、これは検挙され事件となったものだけなので、実際の被害はさらに多いと言われています。
とあるFX、暗号資産系で巨額な資金を集めた団体が明らかにポンジスキームであり、検挙も近いと言われています。
また、この金額、人数に含まれているものは「利殖事犯」と言われる事件の数であり、特殊詐欺などは別の事犯になるのでこの数字には含まれていません。
2021年に検挙されたもののなかで目立ったものを見ると、
- 「暗号資産等の裁定取引に係る金融商品取引法違反事件」
- 「暗号資産の売買に係る資金決済法違反事件」
- 「バイナリーオプション投資運用名下の出資法違反等事件」
と、SNSで良く見るような案件ばかりですね。
これだけ多くの人が、投資詐欺の被害に遭っているのです。
個人が金融リテラシーを高め、騙されない力を身に付けることが必要です。もちろん騙す方が悪いに決まっていますが、これだけ投資詐欺が増えているということを考えれば自分で自分を守ることも必要だと思います。
そこで、金融業界にいる経験をもとにした具体的な判断基準をお伝えします。
こちらでご紹介する判断基準については、あくまでわかりやすいものだけをピックアップしました。
より詳細の判断基準もありますが、専門的すぎたり手間がかかる内容なので今回は割愛します。
ポンジスキームか判断する方法①異常な高利回り
投資詐欺案件は、ほぼ全てが異常な高利回りです。
例えば、仮想通貨系の自動売買を使った運用では、「年利回り60%以上」を謳っています。また、FXを利用した裁定取引で「年利500%」なんてものもありました。信じられません。
普通に考えればそのような利回りはあり得ないのでその時点で詐欺と判別できますが、それに騙されてしまっている人も多いというのも実情です。
このような利回りは、事業投資だとしても永続的に支払っていくことは不可能です。つまり、いつか破綻します。
利回りではっきりとした詐欺かそうじゃないかの線引きをするのは難しいですが、「年利」ではなく「月利〇〇%」や「週利〇〇%」を謳っている案件はほぼ詐欺と考えていいと思います。
利回りの考え方で月利や週利なんて言葉は存在しません。
あとこれも業界にいると当たり前なのですが、「元本保証」「利回り保証」「ノーリスク」これらのワードが出ただけでもアウトです。
ポンジスキームか判断する方法②ライセンスの確認を
金融商品を取り扱う業者は、金融庁の免許・許可・登録が必要です。またそのライセンスはホームページに記載しなければならないものです。
つまり、その投資案件が詐欺かそうではないかは、ホームページの記載を見れば明らかです。投資系では、金融商品取引業者(仲介業者)もしくは暗号資産交換業者などの登録があるはずです。
金融庁のHPでも登録業者一覧が見れますので、番号があってもここに載っていなければ詐欺ということになります。
一部プロを使った特例業務などもありますが、わからないことなどあれば別途ご相談ください。
ポンジスキームか判断する方法③紹介の仕組み
投資詐欺では、名前の通りポンジスキームを活用するケースが多いです。
MLMやマルチ商法に近い形をしているので、ホームページの「紹介について」や「アフィリエイトについて」のページを見るとだいたいこんな感じです。
普通の投資案件ではこんな紹介料の仕組みは存在しません。
それと紹介してくれたら紹介料が入るからと、騙されていながらも気づかずに誰かを騙してしまうなんてこともよくあります。
知らないとしてもそんなことをしてしまったら詐欺の片棒を掴んだことになり捕まってしまいます。
迷ったらプロに相談を
迷ったら周りの金融関係の専門家に相談してください。銀行員や証券マン、IFAでも構いません。業界の中にいればだいたいのパターンは判別できます。
しかしそれでも完全に防ぐことができないのが投資詐欺です。
世の中から投資詐欺がなくなることを信じて活動していこうと思います。