
最近若い人の間で「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」という言葉が流行っています。ひと昔前は、「ハッピーリタイアメント」とか「充実したセカンドライフを」とか言われていました。
それら説明は省きますが、そのような考え方の資産運用においてキャッシュフローがある投資をした方が良いのか、無くても良いのかは非常に重要なことです。人それぞれ異なりますが、事前にしっかり決めておきましょう。
資産運用におけるキャッシュフローの考え方
投資において、不労所得であるキャッシュフローを意識することはとても重要です。
資産運用、特に資産形成では、①資産を増やすだけの投資、②資産から不労所得を生み出す投資、に分かれます。
「FIRE」の考え方は、収入がある若いときから資産をできるだけ増やすということなので①資産を増やすだけの投資に当てはまるかと思います。毎月十分な給与収入があり生活には全く困っていないし使い道も特にない、という方は複利で資産を増やしていけば良いと思います。
しかし、投資をする上での目標は何なのか、もう一度考えるべきです。資産を増やして将来の老後に備えるのか、不労所得を得て今よりも充実した生活を送るのか。
富裕層の人たちは、生まれた時から今の資産があるわけではありません。昔は貧乏だったという方も多いです(一部、いい家に生まれ相続で莫大な遺産を引き継いだ自称超富裕層の方もいますが)。
特に若い世代の富裕層の資産運用に共通しているのは、②の不労所得を生み出す投資を十分な資産があまり無い時から意識しています。
一般的に資産を増やすには複利運用の方が良いと言われていますが、「今よりいい生活をしたい」「時間をかけずに増やしたい」といった考えが多く、それが原動力になり結果的に早く富裕層になれたのかもしれません。
キャッシュフローを生み出す運用をすべき人
「毎月十分な給与収入があり生活には全く困っていないし使い道も特にない」という方には不労所得を生み出す運用は必要ないかもしれないということはお伝えしました。
では、キャッシュフローを生み出す投資をする方はどんな理由なのでしょうか。
- 給与収入とは別の収入がほしい。
- 豪華な生活をしたい。
- 家賃を投資で賄いたい。
- 親への仕送りにしたい。
- 魅力的な投資案件が出たらすぐ買えるようにしたい。
- 積立投資の原資にしたい。
- 勉強やスキルアップの自己投資に回したい。
これら以外にもたくさんの理由があると思いますが、これらは実際に私が見てきた富裕層の人たちの投資におけるキャッシュフローに対する考え方です。
今、ではなく将来や老後のために資産を増やしたい方は、キャッシュフローを生み出す投資は必要ないかもしれません。
ただ、それを使うのは数十年先かもしれません。
毎月100万円の不労所得を生み出すには
では、キャッシュフローを実際に運用利回りを元に計算してみましょう。
例として「毎月100万円」としましたが、私としては月100万円入って来ればかなり大きいので、それでは足りない、そんなに要らない、という方もいると思います。計算自体は逆算すれば誰でもできると思うので計算してみてください。
キャッシュフローの計算においてよく銀行預金と比較するサイトがありますが、そもそも銀行預金と投資の利回りは比較すべきではないので、ここでは運用利回り年5%、15%の例を見ます。
年利5%で運用した場合
100万円の不労所得を5%の運用で作る場合、必要な元本は2億4,000万円です。
だいたい不動産投資や海外の高配当株などはこのあたりの利回りですが、その運用に投資元本は2億4,000万円も必要です。
年利15%で運用した場合
15%で運用した場合に必要な元本は8,000万円です。
当たり前の話ですが利回りを高く運用できれば、毎月のキャッシュフローを生み出すために必要な投資元本も少なくて済みます。
100万円を生み出すためには例だと8,000万円の元本が必要ですが、毎月10万円を作るだけなら800万円で済みます。
債券で不労所得を
オーダーメイド型の債券や、ハイイールド債券の中ではだいたい10~20%くらいの利回りの物も狙うことが可能です。
さまざまな投資商品の中でもキャッシュフローを生み出す投資とそうでないものがありますが、キャッシュフローを作るために配分するのは主に債券が合っています。
具体的な条件は個別の商品により異なるのでここでは紹介できませんが、前述の毎月いくらのキャッシュフローがほしいか、によって利回りを逆算して組成することが多いです。
この、必要なキャッシュフローや投資元本を元に、利回りをある程度自由にオーダーメイドで商品を作ることができるのが仕組債です。
しかし、毎月のキャッシュフローがあるからといって分配型の投資信託や過度にリスクを取る投資はダメです。