
プライベートエクイティ投資やスタートアップ投資をしたいという方も多いでしょう。しかし、自分で個別の案件を探し、精査し、投資することはそう簡単なものではありません。
ベンチャーキャピタルにお金を預けて、スタートアップ投資によって資産を増やすという選択肢もあります。今回はその「VCファンド」への投資についてお伝えします。
ベンチャーキャピタルとは
ベンチャーキャピタル(VC)とは、未上場のスタートアップ企業(ベンチャー企業)に出資して株式を取得し、将来的にその企業がイグジット(上場や売却)した際に大きな値上がり益の獲得を目指す投資会社や投資ファンドのことを指します。
一般的なベンチャーキャピタルは、企業への出資と同時に経営コンサルティングを行い、その企業価値の向上を図ります。うまくいけば上場時に売却することで大きな値上がり益が期待できますが、投資先企業の中には上場を果たすことができずに、出資金の回収が全くできないケースもあります。
VCへの投資は儲かるのか
ベンチャーキャピタルの出資者の多くは、機関投資家や事業会社です。中には個人投資家の出資枠を設けているようなVCもあります。
しかし、結論から申し上げると、このベンチャーキャピタルというのは、資産運用としてはあまり良いものではないでしょう。
なぜならVCファンドへの投資のリターンの平均値というのは、あまり高くないからです。
もし仮に世界に存在する全てのベンチャーキャピタルに投資したとしたら、運用期間を終えた時には期待外れになっていることでしょう。
ごくわずかなファンドだけ大きなリターン
それでも多額のお金がVCに流れてくるのは、ベンチャーキャピタル業界においては、勝ち組であるごく少数のファンドがとてつもなく高いリターンを生み出すからです。
イメージとしてはこの図が当てはまります。一つは「ロングテール(べき分布)」、もう一つは「ベルカーブ (正規分布)」と呼ばれる確率分布のグラフです。
ベンチャーキャピタルの運用成績は、「ロングテール」のカーブに散らばることが知られています。
つまり、ものすごく少数のファンドがほとんどの利益を手にしてるということです。これは平均的なパフォーマンスをもたらす投資家(インデックスファンド)が、全体の大部分を占めるという、よく知られている正規分布のグラフとはまったく異なります。
一般的にはベンチャーキャピタルとしては全体の上位25%のファンドが期待されるリターンを出すことができ、トップ1%ほどの少数のファンドが10〜15倍を超えるケタ違いのリターンをもたらすと言われています。
そのトップ1%の常勝しているトップVCに出資できたら最高です。しかし、彼らに投資をしたい人たちは世界中に山のようにいます。その出資枠は奪い合いです。
リーマンショックのような経済危機などのタイミングで、たまたま枠が見つかるといったことを除けば、新規の投資家が入り込む余地はほとんどないと言われています。
一般的な資産運用商品とは違う
繰り返しになりますが、VCというのは、ごく一部の成功ファンドが支配している業界であり、多くの人が平均のパフォーマンスに集約される正規分布ではないことを理解することが、とても大切です。
そのため、VCだからといって気軽に投資しようと思ったら、たいして利益を出さないファンドにお金を出してしまう可能性が高いので注意しましょう。
5つの質問
ではどうすれば良いVCを探し出せるかのヒントをお伝えします。
VCに投資する際にはどこに投資をするかを選ぶ必要があります。その際は以下の5つの観点でVCを選ぶと良いでしょう。
- 実績のある過去の投資先はどこか?
- 最も信頼関係のある起業家たちは誰か?
- 運用してきたファンドの実績について
- なぜ有名スタートアップに投資できたのか?
- フェアなルールで運営されているのか?
詳細はここでは書ききれないため、別の記事にてお伝えします。