
プライベート型投資のうちの一つの商品、プライベート・ファンド投資についてお伝えします。
プライベート・ファンド(Private Fund)とは、私募ファンドのことで、投資家から資金を募って運用する事業のなかで、資金を募る対象者が狭く限定されているものをいいます。投資先は株式・債券・不動産などの投資商品のほかに、特定の事業・絵画・高級車・宝石・ローン・仮想通貨など多種多様です。
具体的な投資先はファンドごとに定められていますが、通常一人では買えないような資産や金額のものに、複数人で資金を集めて投資できるというのがメリットです。
公募ファンドと私募ファンド
ファンドには大きく分けて「公募ファンド」と「私募ファンド」があります。公募ファンドの代表的な商品に挙げられるのが「投資信託」です。投資信託は証券会社や銀行などの金融機関を通じて多くの投資家からお金を集め、集まったお金でプロのファンドマネージャーが運用する商品です。投資信託にはさまざまな種類があり、自分好みの投資をしている投資信託に投資することができます。
「たくさん種類がある」「誰でも少額から投資できる」「基本的にいつでも解約することができる」ことなどが、公募型ファンドの特徴です。
私募ファンドとは、機関投資家や富裕層など少数の一般投資家からの出資に限定したファンドのこと。公募型のファンドではすべての一般投資家が投資することができるため、知識が少ない一般投資家を保護するためにさまざまな法律上の規制があります。しかし私募型ファンドは機関投資家などプロの投資家を相手にしており、1つの私募ファンドで募集することができる投資家は基本的に50人未満です。
こうした対象の違いから、私募型ファンドには法律による規制がほとんどありません。
こうした背景から運用の自由度が高く、リスクが高い運用や絶対収益を求める運用など多様な運用を行えることがプライベート・ファンドの特徴です。
プライベート・ファンドの投資先
プライベート・ファンドは特定の投資家から資金を集め、それを元に運用する、というスキームですが、投資対象や投資手法はファンドごとに異なります。
最も多いのが「ヘッジファンド」でしょう。株式や債券などを投資対象とし、単純に買って持つというだけでなく売り建てやレバレッジを利かした運用などを行うことによって絶対収益を求めます。
また、最近では非金融分野を投資対象にしたものも増えています。例えば、絵画などの美術品を投資対象とし、それらの値上がりを期待して保有するファンドもあります。絵画や楽器などは価値が変わりづらく、時間がたつにつれて価値が上がりやすいという特徴があります。こういったものを趣味で集める人もいますが、個人で投資対象として購入するには莫大な資金と目利きが必要になります。
非金融分野のもう一つの例が、データセンターファンドです。一台数百万円するようなGPU(コンピューターマシン)を大量に保有し、そこから生み出される利益を投資家に分配する仕組みです。
また、特定の事業に投資をするファンドもあります。海外のローン、いわゆるマイクロファイナンスに出資をし、そこで上がる利益を分配する仕組みなどが一例です。
リスク分散と利益の多様化
このようにプライベート・ファンド投資は様々なものに投資をして利益を得ることができます。株式相場などに影響されにくい運用をすることによってポートフォリオの運用リスクを軽減することができます。もちろん個別にリスクはある投資です。
プライベート・ファンドは私募形式を取ることによって、一般には公開されていません。また、いつでも売買できるものでもありません。新規設定するケースでは、決められた募集期間で募集上限に達したら終了、という場合もありますが結局金額が集まらずにファンド組成自体なくなってしまうこともあります。
もう一つ、海外のヘッジファンドなどは主に機関投資家向けに作っているファンドが多いので買うにあたっては最低5億円以上といったものも多くあります。個人投資家向けに1,000万円から投資できるものを増えてきています。
私たちのプライベート投資戦略では、このようなファンドの中でも、非金融領域に投資するファンドを選好しています。これにより他の金融投資で得られない収益を得られたり、一括償却できるスキームなども存在します。
未公開株と同じく、いつでも買えるものではないので、案件が入り次第詳細を聞いてみることをお勧めします。